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  • 執筆者の写真takayuki

不動産投資として競売物件の過去を振り返る2



今回サンプルで抽出するのは、平成22年度の事例です。


今から10年前の競売事例です。


平成22年7月23日の開札事例。


まずは当時の入札物件の数は?


87件でした。


 

■物件情報

・大阪市淀川区西中島

・売却基準価額:2,340,000円

・タイプ:1R

・専有面積:37.82㎡

・最寄駅より徒歩:2分以内

・昭和47年の建物

・管理会社有


※売却基準価額とは?

競売で入札するための基準価格です。


それ以上の金額でないと入札ができないと思って頂ければ大丈夫です。


 

では、情報を見ていきます。

簡単に大切な情報をピックアップします。


1.6か月猶予付きの物件。

2.管理費8,250円

3.修繕積立金5,430円

4.賃料57,750円

5.共益費15,000円

6.所有者からの賃借権

7.居宅兼事務所として利用。

8.室内の設備など

①2DKの間取りを1Rへ間取り変更

②システムキッチン

③浴室、トイレは一緒(ユニットバス)

④バルコニーあり(南向き)


これは入札するに魅力的な物件です。


 

魅力的な理由は?をお伝えする前に今回の開札記録をご紹介します。


■開札記録


・入札者数:7件

・落札者資格:法人

・落札額:3,850,000円


上記となりました。


この結果を踏まえて魅力をご紹介したいと思います。


 

魅力の理由は?


開札結果からの紐解きなので、すべてにおいてたらればの話になりがちですが、このような事例が存在することの証明はできていると思いますので、その点は、そらぁ結果見たらそうだろう。ようは入札して落札するのが大切やで!

そのようなお声は承知の上です。


今回もシミュレーションの都合上、細かな数字は切り捨てていきます。ご了承ください。


★購入価格(落札価格)

385万円


★毎月の家賃収入

①家賃57,750円

②共益費15,000円

合計:72,750円/月(以下、7.2万)(A)


★毎月の管理費等の支払

13,680円/月(以下、1.3万)(B)


★固定資産税等の支払

・固定資産税:42,280円

・都市計画税:10,161円

合計:52,441円(年間)÷12ヵ月=4370円/月額

4千円/月(C)


支払合計(B)+(C)=1.7万円(D)


収入(A)-支払(D)=5.5万円(これが毎月のおおよその手取り収入)


表面利回りを計算します。


5.5万円×12ヵ月=66万円(年間)


66万円÷385万円×100=17.14%


表面利回りは17.14%となりました。


385万円の投資資金を回収するためには約6年の月日で回収できることがわかります。


入札するには回収する期間も短いので中長期保有を考えると資産形成が期待できる物件です。


但し!

気を付けておかないといけないポイントがあります。

それは、建物の築年数が古いことです。昭和47年建築の建物です。十年前の当時ですでに38年が経過し、現在では48年が過ぎています。建物として建て替えなども検討していく物件に該当するかもしれません。


その辺の情報を見定めて中長期保有できればよいですが、マイナス情報が多く入る場合は、入札の見送り、もしくは中長期でも10年程度で手放して次の不動産投資物件を狙うのも一つだと考えます。


しかしながらその一方で知っておく情報があります。


それは、


建物の耐用年数と呼ばれるものです。


①軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm以下)

→19年


軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm超4mm以下)

→27年


重量鉄骨造(骨格材肉厚4mm超)

→34年


鉄筋コンクリート造

→47年


木造

→22年


このように定められています。

これだけを見ると、どんなに長くても47年で建物の性能が失われてしまう。

そんな印象を受けてしまいますが、「耐用年数」は、減価償却資産が利用に耐える年数。

つまり、資産の償却を考えた場合に用いる指標だということです。


別で「建物の物理的寿命」については、異なる見解が出ています。


鉄筋コンクリート造では、117年との見解が国土交通省の資料ででています。


参考文献は平成25年当時の資料です「国土交通省報告書」参照。


ちなみに皆さんよくご存じの国会議事堂は昭和11年(1936年)の建築物です。


なので、昭和47年であればまだまだ建物としての利用価値も十分あるかとも私は考えますが、後は入札される方がどう思われるのか?


しかし、この物件であれば私は提案する物件です。


 

では、10年後、20年後、30年後を見ていきましょう。


落札価額385万円の内300万円を現金で支払います。不足の85万円を借入します。


85万円を借入期間5年。金利5%としてシミュレーションしていきます。

毎月の返済額は約1.6万円です。


■初年度~5年まで

5.5万/月ー1.6万円=3.9万円

3.9万円×12ヵ月×5年=234万円(1)の収入となります。


■6年目~10年目まで

6年目からは借入が無くなっているのでそのまま全額が入金されます。

5.5万円×12ヵ月×5年=330万円(2)


■20年目

5.5万円×12ヵ月×10年=660万円(3)


■30年目

5.5万円×12ヵ月×10年=660万円(4)


単純計算のため、退去時の空室期間や、改装費用は考慮せず計算しております。


30年間保有することで収入額は(1)+(2)+(3)+(4)=1884万円


ここから購入代金を差し引いても約1500万円の資産を生み出してくれます。


これぞ競売の醍醐味です。


もちろん、同じ型が20年、30年と住み続けて下さるわけではないので上記金額が手に入る保証はございません。


しかし悪くても3分の2が収入として確保できると考えたら1000万弱は資産を生み出しています。


いかがでしたでしょう?


今回は入札価値ありの物件でしたね。


次回は少し年代を変えて過去の物件をご紹介したいと思います。

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