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女性の不動産投資 競売開札を解説 大阪地裁本庁編
さて今回は6月17日大阪地裁本庁の開札結果を振り返って解説していきたいと思います。
今回入札シミュレーションを行ったのが8件ですが投資向けの物件となると5件です。
またそのうち500万円以内で入札シミュレーションできたのは3件だけでした。
金額帯は異なりますが、不動産投資物件として5件を振り返ります。
【入札1】
1.平成29年(ヌ)第14号 大阪市城東区成育二丁目
→入札想定額800万円
開札結果:1650万円 39件 法人
※売却基準価額:6,040,000円
こちらは店舗付住宅で最先の賃借権がついていました。
最先の賃借権でこれだけの札数が入るのは極めて異例です。
しかしその理由は!
場所柄大阪市内で住宅エリア。土地も区画が綺麗で駅から近く生活も至便。
退去されれば後は売却する際も出口戦略に困りません。
そして、市内で建売するための土地の用地もないことから、最終建物をつぶして土地で売るのか?建売で売るのか?
市場に土地がなかったことにより不動産会社が入札に参加したことがわかります。
今後の教訓としては、最先の賃借権がついていても戸建ての場合は、その建物のまま転売するわけではなく土地としても利用価値があるものについては入札数が増えることがわかりました。以後の入札シミュレーションではそちらを加味した上で行っていきます。
ちなみに今回の落札額で不動産投資物件として捉えると
賃料が10万円でしたので年間120万円です。
計算式
120万÷1650万×100=7.27%です
5年間保有すれば収入は600万。その後退去されれば解体しても土地だけで売るもよし、建売として販売するもよし。
ある意味先が楽しめる物件です。
【入札2】 2.令和01年(ケ)第885号 大阪市西淀川区歌島一丁目
→入札想定額150万円
開札結果:3,001,000円 11件 個人
※売却基準価額1,860,000円
こちらは「6か月猶予」がついている物件でした。
なので、現在は転借人が占有している状態です。
6ヶ月猶予なので、そのまま住み続けてもらうのか?それとも6か月経過後には退去頂くのか?
転借人と書きましたので、現在は
所有者→賃借人(転貸人)→転借人
このような構図となっています。
なので、6ヶ月猶予の相手先は間にいてる「賃借人(転貸人)」に対して行うこととなります。
この賃借人(転貸人)はいわゆるサブリース会社です。
サブリース会社からの賃料は賃料等すべて込みで32,380円を毎月受け取りしています。
年間だと388,560円となります。
これを今回の落札額で計算しなおしてみると
計算式
388,560円÷3,001,000円×100=12.94%
このような結果となります。
サブリース会社が入っている利点としては空家になっても賃料保証してくれることが最大のメリットですが、現在住まわれている方が退去された場合、賃料の減額の話にもなってくる恐れがありますのでその点は注意が必要です。
賃借人(転貸人)は転借人から約42,000円を毎月受領しているので、サブリース会社と契約を解除した後にご自身で募集をするならば少し今より高い金額を受け取れる可能性もあります。
それは落札された方が選択して頂ければと思います。
【入札3】 3.令和01年(ケ)第937号 大阪市阿倍野区昭和町一丁目
→入札想定額900万円
開札結果:10,821,000円 11件 個人
※売却基準価額:6,760,000円
こちらはそもそも売却基準価額が500万円を超えているため私はお勧めすることがありません。しかし、久々の競売なので色々な角度検証するためにシミュレーションを行っています。
こちらは賃借人が住んでいない状態で所有者が空家で占有している状態でした。
なので、改装をしてから新たに募集をする必要があります。
また、1Rタイプと違い元は1LDKだったので面積もそこそこ広いです。だから500万円では購入することは難しい物件です。
想定賃料は65,000円としているため、年間だと78万円となります。
これを今回の落札額で計算しなおしてみると
計算式
78万÷10,821,000円×100=7.2%
こちらの利回りとなりました。それプラス滞納金、改装費も考慮すると利回りは6%台になりそうです。
1Rに比べると広いですが、実需で購入されて住まわれるには小さいので恐らく不動産投資物件としての入札だったのではないかと考えます。
【入札4】 4.令和01年(ケ)第877号 大阪市東淀川区豊新三丁目
→入札想定額500万円
開札結果:6,256,256円 11件 法人
※売却基準価額:3,780,000円
こちらは店舗付き住宅の物件でした。住宅は住むには浴室がないのと洗濯機置き場が見当たらないことから住むというよりも休憩室扱いの物件だと思われます。
1階の店舗も居ぬきで利用もできそうだったので、改装は住居部分の2階だけしておけば後は入居者さんが改装してもらえるので改装コストは抑えられそうな印象でした。
想定賃料が8万円としていたので年間で、96万円です。
これを今回の落札額で計算しなおしてみると
計算式
96万÷6,256,256円×100=15.34%
私も利回り15%で計算を立てたんですが、楽しみを持ちたいために500万にしてみました。
裏返すと15%でも落札できたという結果になりました。
【入札5】 7.令和01年(ヌ)第256号 大阪市生野区小路東三丁目
→入札想定額180万円
開札結果:820万円 12件 個人
※売却基準価額:1,830,000円
こちらは再建築不可の物件かつ、2階が雨漏りしている。
このように条件が非常に悪い物件でした。入札件数も多くて3件程度かと思いきや12件と予想の4番の入札数でした。
そして、落札額も私の予測よりも3倍強高い640万円も差が開いています。
不動産会社目線で言うと、都市計画道路が予定されているため、その計画内に入っていると行政が土地を収用するために買取を行ってくれます。
その買取金額はそこそこ良い金額で買取をしてくれます。
昔の話ですが、私が司法書士事務所で勤めている時にお取引していた不動産会社さんが建売をされていて、新築のお家を買われたお客様がいてました。
お歳は70代前後の方でした。
その方はその新築を現金一括で購入されたんです。その理由を聞いてなるほど!って思ったのが、今回のように都市計画道路が決定されて行政に収容されたことにより現金が手に入りそのお金で新築のお家を買われたわけです。
元々の住んでいたお家の大きさなどは知りませんが、受け取ったお金で新築の家が買えることはわかりますよね。
いつになるかわかりませんが将来的なことを考えてそれで物件を購入したのか?
はたまた近隣の方が購入されたのか?
さらに住んでいる方の身内の方が購入されたのか?
なんせ落札した方が個人となっているので、不動産会社の個人事業者含め考えることが多いです。
このような場合は開札場でその開札結果で名前の読み上げを聞くとだいたいわかるんですが、今回は開札場へ行ってないのでそこまではわかりません。
ということで、今回は大阪地裁本庁の投資向け物件の振り返りをしてみました。
まずは、今回の結果として見るだけですが引き続き動向を見守りながら皆様に情報発信ができるよう努めてまいります。
今回のだけをみると500万円以上での落札となりましたが、東淀川区の店舗付き住宅は表面利回り予測15%と見れました。
シミュレーションと実際に入札をする場合とでは臨場感が違いますが、その臨場感に近いものをお届けできるように頑張ります。