takayuki
女性の不動産投資 競売入札シミュレーション⑥ 京都地裁本庁編
今回も京都地裁本庁管轄の競売物件を見ていきたいと思います。
今回も1R見ていきます。
入札期間は令和2年6月4日~6月11日までです。
開札期間は6月18日なので、入札を検討される方はお急ぎください!
では、早速今回取り上げる競売物件を見ていきましょう。
事件番号 令和01年(ケ)第260号
売却基準価額 3,040,000円
買受申出保証額 608,000円
買受可能価額 2,432,000円
所在地:京都市北区衣笠東開キ町・京都市北区衣笠北荒見町
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):5階部分 16.01m2
間取り:ワンルーム
バルコニー面積:不明
管理費等:10,140円
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:平成6年3月
階:5階
総戸数:78
こちらの物件です。
占有者は、所有者なので退去した後は募集が必要になるので、改装と募集期間のことも考慮して入札を考えましょう。
3点セットの見るポイント
■物件明細書より
こちらでは所有者本人が所有しているため、他人の権利などは記載がありません。
マンションへ支払う管理費等の滞納はあるようです。
■現況調査報告書より
・所有者は空家で使用している。
※1Rの場合は、ほぼ所有者が占有の場合は空室率が高いですね。考えて見れば他人へ賃貸で貸すために不動産投資物件として所有されている方が多いので、そうなるのは必然かもしれません。
・滞納金
調査時点の令和2年1月現在で、約105,000円と4000円弱の遅延損害金があるようです。おおよそ11万円といったところですね。
□関係人の陳述等より
・所有者コメント
1.正確な現状を把握していない。
2.建物の管理会社へ問合せしてください。
※個人で直接管理しているわけでなく、管理会社へ依頼してので所有されてからずっと不動産投資物件として賃貸で貸していたのでしょう。
・管理会社コメント
1.管理を任されている。空家である。
2.ペット飼育は不可である。
その他コメントがありますが、マンションの管理会社と個人の管理会社が同じようです。
□執行官の意見より
立ち入り調査の結果、ライフライン調査、関係人の陳述等から資料の通りの認定となった旨が記載されています。
□室内写真等より
・間取りは1Rタイプです。添付資料ではお部屋の広さがわかりません、認め約6帖といったところでしょう。
・ユニットバスは浴室と洗面がセットです。
・トイレは分かれているので単独になっています。
・室内に洗濯機置き場があります。
・ミニキッチンが付いています。
・下駄箱があります。
・小さなクローゼットがあります。
・バルコニーがあります。
・ガスコンロではなく、卓上の電気コンロが置いてあります。
・室内にはエアコンが一台見受けられます。
・写真には、室内、ミニキッチン、浴室が写っています。退去された後、改装をして募集をされていた?これからしようとしていた?そのような様子が伺えます。
なので、落札後の改装費は写真上では不要かもしれません。
■評価書より
・経済的残存耐用年数は約19年です。
・エレベーターあり
・来客用駐車場あり
・マンション全体の修繕積立金は約1740万円です。平成20年に大規模修繕工事をされているので、数年のうちに大規模修繕工事が行われるかもしれません。目安は15年前後で大規模修繕工事をされています。
積立額は少ない印象がありますね。
・平成19年9月施行の京都市条例に基づく高さ規制によって、既存不適格建築物になっているようです。
銀行からの融資が下りない。建替えする時には同規模で建て替えができない。そのような制限を受けるようになります。
ただし、建築当時は建築確認・完了検査も受けている建物です。
・同じマンション内での取引事例を使用されています。
1つは、成約事例(競落)㎡単価17.9万円
1つは、売り出し事例㎡単価26.4万円
調整額が256,000円として試算されています。
・賃料設定は年間42万円として試算されているので、参考価格3.5万円/月として計算されています。
投資シミュレーション
それでは、売却基準価額より先ほどまでの事例を含めて見ていきたいと思います。
売却基準価額が304万円です。
評価人参考の見込み家賃収入が3.5万円です。年間で42万円となります。
計算式1
42万円÷304万円×100=13.9%(表面利回り)となりました。
続いて、取引事例での価格を基に計算しています。
㎡256,000円×16.01㎡=4,098,560円となりました。
約410万円として計算します。
計算式2
42万円÷410万円×100=10.24%(表面利回り)となりました。
今回でも取引事例での目線は10%以上あれば購入される方がいらっしゃることがわかります。
そうなると近い数字で入札をしないと落ちないのか?
前回は最先の賃借権が付いているのと、少しややこしそうなことが書かれていましたが、空家で改装済みとなっているので入札数は増えそうですね。
競売で入札して落札することを前提で考えると、420万円から2割減で約336万円となります。
計算式3
42万円÷336万円×100=12.5%(表面利回り)となりました。
この辺りで落札できればまだ良いかも知れません。
プラスして下記も見ておきます。
次に現在わかっている毎月の支出を考えてみましょう。
1.管理費等10,140円。約1万円として計算します。
3.5万円ー1万円なので毎月2.5万円が手残りのイメージです。
後は、水道代、保険料や固定資産税等などを月割りにする必要がありますが、そこは含めません。
月々2.5万円の収入なので年間30万円となります。
計算式1
30万円÷304万円×100=9.8%(表面利回り)となりました。
計算式2
30万円÷410万円×100=7.3%(表面利回り)となりました。
計算式3
30万円÷336万円×100=8.9%(表面利回り)となりました。
売却基準価額で入札をしたいですが、恐らく落札するのは厳しい印象があります。
今回も計算式3の
336万円が天井での入札とします。
6月18日の開札結果を見て皆様へまたご報告いたします。