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女性の不動産投資。競売入札シミュレーション大阪地裁堺支局編②R2.7.30開札
更新日:2020年7月4日
今回も大阪地裁堺支局の入札物件をシミュレーションしていきます。
入札期間は7月15日~7月27日までです。
開札期日は7月30日となっています。
今回は土地は「0」、戸建て「18」、マンション「1」の合計19件です。
マンション1件。この唯一の1件を入札シミュレーションします。
事件番号 令和01年(ケ)第151号
売却基準価額 2,790,000円
買受申出保証額 560,000円
買受可能価額 2,232,000円
種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:堺市中区深井沢町
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):5階部分 66.22m2
間取り:3LDK
バルコニー面積:あり
管理費等:14,440円
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:平成8年4月
階:5階
総戸数:55
今回取り上げる物件はこちらの物件です。
3点セットの見るポイント
■物件明細書より
・本件所有者が占有しています。
・管理費等の滞納があります。
いたってシンプルな記載です。
■現況調査報告書より
・所有者が空家で使用しているようです。
・滞納金は調査日時点【令和元年11月現在】約29万円となっています。
・室内で亡くなられた様子が語られています。詳細はあえてこちらでは記載していません。
★関係人の陳述等より
・管理会社担当者のコメントより
入居していた方は室内で亡くなっている(事件性なし)部屋は当時のまま残されている。
★執行官の意見より
目的建物は、被相続人(全所有権登記名義人)が死亡するまで住居として使用、占有していたものと思われ、債務者兼所有者がその占有を承継しているが、電気・ガスの供給は停止しており、居住の実体はなく、同人が住居(空家)として占有しているものと認められる。
□室内写真等より
・南東角部屋です。東と南にバルコニーがあります。リビングに面するのは東側です。
・室内の荷物などは普通に生活がされていた様子が窺えます。
■評価書より
・最寄駅より徒歩約9分程度の場所のようです。道路距離700m。
・建物北側には共同墓地が存在するようです。
・経済的残存耐用年数は約17年と記載されています。
・エレベーターが1基あるようです。
・マンションの総戸数は55戸となっています。
・保守管理の状態:普通と記載があります。
・マンション全体の修繕積立金は約7100万円となっています。
・大規模修繕の予定はあるようですが、時期は未定のようです。
・完了検査は受けています。
・評価算定の基準額が土地、建物の合計で6,463,000円となっています。
・評価人算定の賃料設定額は6.8万円で算出されています。年額だと81.6万円となります。
投資シミュレーション
それでは、売却基準価額より先ほどまでの事例を含めて見ていきたいと思います。
売却基準価額が279万円です。
見込み家賃収入が6.8万円で計算します。年間で81.6万円となります。
計算式1【売却基準価額での計算】
81.6万円÷279万円×100=29.24%(表面利回り)となりました。
続いて、基準額での価格を基に計算しています。
約646万円として計算します。
計算式2【基準額での計算】
81.6万円÷646万円×100=12.63%(表面利回り)となりました。
計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
81.6万円÷516万円×100=15.81%(表面利回り)となりました。
上記の結果になりました。
気になるのは、評価人が算出している家賃設定で募集が入るのか?
また、いわゆる事故物件。告知事項ありの物件となるので市場の反応はどうなのか?
はたまた、建物北側にも墓地があるようなので、良しとするかどうなのか?
色々と考えさせられる点が多いです。
私が入札するならば、買受可能価額の2,232,000円。
これ以上はしないです。
どちらかというと入札を見送る物件です。
女性の投資家さんにはヘビーですよね。まぁ女性だけでなく男性にとっても同じでしょうか。
入札時のワンポイント
今回の物件は、告知事項のある物件となります。
売るにしても貸すにしても、必ず告知が必要となります。
中の様子については3点セットの中に詳細のコメントなどが入っているので入札をご検討される方は必ずお目通ししてください。
市場価格よりも安く購入できるメリットが存在する一方、重要が伴わなければ意味がありません。
事件性はなし。と、コメントがあるためそこまで嫌悪感があるとは思えませんが、感じ方は人それぞれなのでその辺を見極めてジャッジしてくださいね。
余談になりますが、
私が入札の仕事に従事している時に、入札はしなかったんですが、気になっていた物件がありました。場所も大阪市中央区にあるマンションでしたので高い金額で落札されることは予測していました。
記憶が薄いですが、思った以上に高かった物件だっと思います。
中に住んでいる占有者もお一人で住んでいるコメントがあったので、立ち退き交渉もそんなに問題がありそうでもなかったので札数も集まったような気がします。
そして、開札が終わってからしばらくして、また同じ物件が競売にでてきました。
あれ?これって前に競売で誰かが落札してた物件やのになんでまたでてきてるんやろう?
ほんと不思議で、もしかして落札代金を納められずに流したのか?
それとも入札金額を書き間違えて代金をあえて納めず流れてきたのか?
そんな思いで3点セットを開いてみると・・・
どうやら、1回目の入札期間から落札して代金を納める前までに、中で所有者の方が亡くなったようでした。
そのために落札時の代金を納付せずに再度競売に出てきたようでした。
もちろん価格もそれに伴って下がっていました。
私は入札を見送りましたが、物件の場所も良かったので、普通に他社がそれでも落札をされていました。
この辺は出口戦略のノウハウがないと難しいですよね。
と、いうことで入札時点ではご健在でもその後、室内でなくなっている可能性もあるんです。
なので、事前にその情報があればそれに対する出口戦略を考えておられる方にとっては難しい話ではないのかもしれません。