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女性の不動産投資。競売入札シミュレーション大阪地裁堺支局編①R2.7.30開札
今回は初めての大阪地裁堺支局の入札物件をシミュレーションしていきます。
入札期間は7月15日~7月27日までです。
開札期日は7月30日となっています。
さて、コロナ明けの堺支局の入札物件はどんなものでしょう?
今回は土地は「0」、戸建て「18」、マンション「1」の合計19件です。
事件番号 令和01年(ケ)第186号
売却基準価額 2,200,000円
買受申出保証額 440,000円
買受可能価額 1,760,000円
種別:土地
物件番号:1
所在地:堺市美原区北余部
地目(登記):宅地
土地面積(登記):56.00m2
用途地域:第一種住居地域
建ぺい率:60%
容積率:200%
種別:建物
物件番号:2
所在地:堺市美原区北余部
種類(登記):店舗・居宅
構造(登記):木造瓦葺2階建
床面積(登記):
1階:37.20m2
2階:33.05m2
間取り:洋3+店舗
敷地利用権:所有権
占有者:あり
築年月:昭和55年3月
今回取り上げる物件はこちらの物件です。
3点セットの見るポイント
■物件明細書より
・買受人が負担することとなる他人の権利として
【物件番号】2
賃借権
範囲:全部
賃借人:法人
期限:令和4年9月1日
賃料:月額売上代金の15%
賃料前払い:なし
敷金:なし
保証金:なし
※上記賃借権は最先の賃借権である。期限後の更新は買受人に対抗できる。
最先の賃借権がついています。
それ以外はコメントはありません。
■現況調査報告書より
・店舗として使用されているようです。
・所有者との賃貸借契約です。
・占有者からの聞き取りでは、賃料前払いがあるようですが、貸金と思われるとコメントあり。
・契約書には敷金の条項が存在するも、具体的な金額の記載がないので、敷金はないものと考えるとコメントあり。
・店舗として利用されているようです。
・2階の天井で漏水跡が認められるようです。
・2階廊下に傾きを感じたようです。
★関係人の陳述等より
・占有者のコメントより
1.店舗を営んでいる。債務者兼所有者の親類の方も働いている。
2.占有者は債務者兼所有者の親類
3.開店当初は賃料2万円を渡していたが、債務者兼所有者に対しての貸し付けがあるため現在は払っていない。
4.2階の天井から今も強い雨の時は雨漏りする。かつて一度漏電もあった。
5.本物件の買取の打診があったが違反建築のため融資が下りず断念。
・債務者兼所有者のコメントより
1.親類が店舗として利用。賃料2万円だったが、現在はもらっていない。
★執行官の意見より
目的建物は占有者が、賃借権に基づき、店舗として使用、占有しているものと認めるとコメントがあります。
□室内写真等より
・綺麗にしっかりとされた店舗の様子が窺えます。
・間取りは2階建てです。1階にDKと和室。2階に洋室一部屋と和室が二部屋あります。
・駐車スペースはないようです。
・室内には生活感がわかる家財道具などが多く見受けられます。
・経年劣化の損傷が感じられます。
■評価書より
・最寄駅より徒歩約12分程度の場所のようです。道路距離900m。
・住居スペースが2階になっていて、洋室3部屋があります。
・1階には店舗スペースのほか、洗面室、浴室があるようです。トイレは1階の店舗箇所のみのようです。
・2階には生活されている感じはなく荷物置き場として利用されているのがわかります。
・経済的残存耐用年数は約5年と記載されています。
・保守管理の状態:普通と記載があります。
・完了検査は受けていないようです。
・評価算定の基準額が土地、建物の合計で3,673,000円となっています。
・近隣相場の賃料は駐車場がないため目安7~8万くらいになりそうですね。
投資シミュレーション
それでは、売却基準価額より先ほどまでの事例を含めて見ていきたいと思います。
売却基準価額が220万円です。
見込み家賃収入が7万円で計算します。年間で84万円となります。
計算式1【売却基準価額での計算】
84万円÷220万円×100=38.18%(表面利回り)となりました。
続いて、基準額での価格を基に計算しています。
約367万円として計算します。
計算式2【基準額での計算】
84万円÷367万円×100=22.88%(表面利回り)となりました。
計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
84万円÷293万円×100=28.66%(表面利回り)となりました。
上記の結果になりました。
地域柄、駐車場がないため賃料も高くとるのは厳しいかもしれませんね。
評価人が算定した基準でも22.88%の利回りとなっていますが、実際にどれだけの賃料を支払ってもらえるのか?
そのリスクを考えるとなるべく安いラインで落札を狙いたいです。
賃料が月額5万円とした場合で表面利回り20%を狙うと仮定すると300万円。
今回の入札予測額は300万となりました。
入札時のワンポイント
今回の物件は、最先の賃借権が親類で起きている点が通常のパターンと違いますよね。
親類だから家賃も抑えた設定になっているのでしょう。
貸付債権があったようですが、それは今回落札した後の落札人にはなんら関係のない話です。
しかしながら雨漏りが止まっていないことを考えると早めの対応が必要ですね。長い目で見ると家が傷む原因であるのは間違いありません。
こちらの物件は現調で実際に場所などをしっかりと見ておくことと、変わらず営業をされているかどうかを確認しておきましょう。