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不動産投資 競売投資10のリスク⑤
今回も引き続き競売投資の10のリスクを見ていきましょう。
今回は、7、8、9、10のテーマを見ていきます。
7.専門的知識がないと諸手続きの理解も難しいこと。
9.落札した後、限られた時間で諸手続きを進める必要があること。
10.最悪の場合は、強制執行が必要となることがあること。
私たち不動産の仕事に従事している人間でも手続きは【競売】特有の手続きなので誰もが知っているわけではありません。
入札に関しては、入札書の提出と保証金の届け出などなので、これは特別に難しいというわけではありません。
ちゃんと説明を聞いて理解ができればそれに従って提出するだけです。
■入札書の中に同封する書類の漏れがないか?
■入札金額の書き間違えがないか?
※入札金額が少ない分は落札できないだけで済みますが、多く書いてしまった場合、
例えば500万円と書くところを5000万円と書いてしまった場合。
原則的には5000万円で買い受ける必要があります。
■入札期限までに書類を提出する。
気を付けないといけないのはそれくらいです。
しかし、落札が終わり、無事に1番高い金額で落札してから、また新たな手続きが始まります。
ご自身の名義に代えるための書類は裁判所から送られてきますのでそれに従って手続きを勧めます。
入札のときと大きな違いはないので、入札ができたならばそちらの手続きはさほど難しいわけではありません。
問題は、
中に住んでいる方がいてる場合、住んでいない場合の対応方法です。
私は原則的に、住んでいる方がいてれば、ピンポンを鳴らして直接お会いしに行ってました。
これは裁判所での手続き以外の行動です。
いわゆるお話し合いの場を設けて退去のお話をするわけです。
しかし、話し合いが不調になった場合
【強制執行】
こちらの手続きの準備を進める必要があります。
私が入札をしていた「大阪地裁本庁」(新大阪)でのケースでお話をすると、
まずは入札を行った裁判所へ申し立ての手続きへ行きます。
ここで「債務名義」を頂くことになります。
そちらの手続きが完了したら次は、別の裁判所へ行きます。
テレビなどで皆さんよくご存じの大阪地裁(中之島)へ出向いていきます。
新大阪の裁判所で手に入れた「債務名義」を持参していきます。
「債務名義」がないと強制執行ができないため、これを持っていくわけです。
そして、占有者が住む、落札した物件への催告のため現地へ行く日取りなどを調整してもらいます。
その時に、強制執行をした時に荷物を運び出してくれる業者、本人が不在の場合、鍵の開錠が必要になるので鍵屋さんの段取りを並行して行います。
限られた時間の中で段取りが必要となるのでゆっくりはしていられません。
そして、催告へ向かうわけです。
この催告のときは一緒についていて様子を見ることもできますし、同席せずにお任せすることもできます。
そして、最後が強制執行当日の断行日には
再度、荷物を運び出してくれる業者と今回も不在の場合に鍵の開錠を行ってくれる鍵屋を段取りしていくわけです。
この場合も催告のときと同様に、同席することもできますし、同席しないこともできます。
最低でも強制執行当日は同席されるほうがよいでしょう。
この手続きが完了したら、ようやくご自身の所有物にかわるので、鍵の交換やらを行うことで一安心です。
※強制執行のときに荷物を運び出した後、1ヶ月程度その荷物を保管する場所も確保が必要となります。
これは、占有者が荷物の持ち出しし忘れた場合に対応するため、荷物を保管しておく必要があります。
そして、その期日が過ぎたら荷物の処分をするわけです。
これも競売と同じように動産執行が行われます。
この荷物は原則、落札した方が買い受けることになります。
もちろんそれに対する費用はかかりますので、入札した費用とは別にお金が必要となります。
荷物の量に応じて価格は変わるので、荷物を運び出ししてくれる業者が見積もりを出してくれます。
誰もが簡単に入札へは参加することができます。
そして、一番高い金額を入れた方が落札する仕組みです。
ここまでは一般の方でも難しいことはないでしょう。
それとは別の手続きや作業で時間と労力がかかることをご自身でする場合は覚悟しておく必要があります。
8.前所有者(占有者)から恨みつらみを抱かれることがあること。
これは皆さんどう感じられますでしょうか?
本当に辛いところではありますが、占有者は誰かに対して怒りの矛先を向けたい方が多いです。
実際は銀行が競売にかけているわけなので、恨むなら銀行ではないかと思いますし、
そもそもその原因となってしまったのがご自身だと言うことも理解されているんです。
しかし、やり場のない悲しみや怒りを誰かにぶつけないと気持ちが保たれない。そんな感じを私自身受けてきました。
先ほども書きましたが私の場合は、まずは話し合いでご本人に会いに行きます。
■ちゃんとした対応をしてくれる人。
■警戒心を持って不安の様子で対応する人。
■気を張って強く接してくる人。
■まったく話し合いにならない人。
本当に様々です。
基本的に話が分かる人であれば、こちらに対して怒りの矛先や恨みつらみを持たれることはありませんでした。
ただ、中にはまったく話が通じない人がいることは間違いありません。
これも競売の入札をする時の3点セットの資料で大夫とふるいをかけてややこしい人ではないことを予測して入札をするわけですが、やはり人間追い込まれると別人格が現れてくるのかも知れません。
強制執行のお話をしましたが、
私が担当した競売案件では残念なことに?ありがたいことに?
強制執行になった案件は1件だけでした。しかし、それも最後の最後で話し合いがまとまったので、強制執行をせずに取り下げることになりました。
なので、私が経験した強制執行は他の担当者の代わりに手続きを行った程度なんです。
私が登場する場面では、もう全く話し合いにならない状態なので強制執行の説明のみです。
ここまで来た人はやはり恨みつらみに怒りの全てをぶつけてこられます。
しかし、命まで取られることはないので粛々と進めるだけです。
競売ならではのリスクのご紹介をしています。
不動産投資として競売を利用する場合、様々なリスクも予測しておかないといけません。
それでも不慮の事態は起こり得ます。
しかし、3点セットの中身をしっかりと確認し、現地での調査を行うこと。
この入札までの事前の調査で競売の質は大きく変わります。
単に安いから入札をするわけでなく、根拠のある入札。これが大切です。
この見えない難しさが競合他社の参入の障壁であるのは間違いありません。
この競売での不動産投資の市場をうまく活用することが将来の資産形成への近道だと私は感じています。