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  • 執筆者の写真takayuki

不動産投資 競売入札シミュレーション①

更新日:2021年1月25日




本日5月20日からBITの大阪地裁本庁の入札物件開示が始まりました。


今回は6月17日が開札日となっています。


まずは一通り物件を見ていきますと入札件数は47件でした。


狙っていきたいワンルーム、1Kは出ていませんでした。


なので、収益性が見込める物件をピックアップして見ていきたいと思います。

先程も言いました通りお目当ての物件がないので個人的に面白そうな物件を選んでみました。


そして何よりも、個人投資を考える人、転売目的の不動産会社が入札するかもしれない物件であるため、入札金額の推測が非常に読みにくい案件でありますので、今回はこの、個人と不動産会社が入札する可能性がある物件の入札金額の考え方を中心に見て頂ければと思います。


ピックアップしている物件はもちろん、不動産投資用の物件です。

物件は大阪市城東区にある一戸建てです。内容を見ていくと1階が店舗、2階が住居として利用されている住宅です。

3点セットを見ていくと、ご家族で住んでいるのがわかります。

そしてこの物件は最先の賃借権がついています。

最先の賃借権なので、おそらく退去されずに引き続きお住まいいただける物件だと思います。


室内の写真を見ると小さなお子さんがいらっしゃるご家庭の様子が伺えます。

なので、店舗でされているお仕事が継続されるならば引き続き10年ほどは済むんではないかと考えています。

この物件で気をつける点としては、保証金が100万円預入しています。資料を見ると明け渡し時に70万円の返還が必要な契約になっているようです。


最先の賃借権の場合は、保証金の返還義務を引き継ぐため退去の際にはお返しするお金となるので入札する前の予算決めでは予定しておかないといけません。

家賃については10万円/月となっています。


ということで、早速見ていきましょう。


 

事件番号 平成29年(ヌ)第14号 売却基準価額 6,040,000円 買受申出保証額 1,210,000円 買受可能価額 4,832,000円


 

●所在:大阪市城東区成育二丁目

土地と建物が1筆ずつです。

※1筆(ひつ)とは?

不動産を数える時の単位だと思ってください。

●土地面積:60.83㎡

●建物:木造瓦葺2階建 

1階 43.74m2 2階 43.74m2

合計87.48㎡

●間取り:3DK+店舗

●築年数:昭和52年11月


このような物件です。

●賃借人が平成18年からお借りになっています。

 

さらに中身を見ていくと


賃借人のコメントには

1階を店舗として利用し、2階を住居として使用しているそうです。

また、

1階店舗の南東側で雨漏りがあり、南東側の外壁から雨水が浸水していると思います。

このようなコメントがありました。


すなわち、落札した場合は、この修繕義務も必然的に負うことになります。


■評価書では

2階の床、壁共に傾きが認められると評価人のコメントがありました。


やはり建物も経過年数と共に傷み損傷があると言えます。


 

3点セットの見るポイント

 

■プラスポイント

①最寄駅から徒歩2分


■マイナスポイント

①雨漏り、傾き(修繕義務)

②保証金の返還金70万円

③駅から近いため電車、交通の騒音有


上記を踏まえて検討します。



 

投資シミュレーション

 

■売却基準価額:6,040,000円

※この金額で落札すると仮定します。

■家賃収入:10万円/月


10万円×12ヵ月=120万円

120万円÷6,040,000円×100=19.8%


表面利回りは19.8%となりました。


ここから、分かっているリスク分をプラスして考えます。


①保証金返還債務70万円

②雨漏りの補修費用30万円

合計100万円が別途購入代金に加算して考えると購入代金は7,040,000円です。


そうすると、

120万円÷7,040,000円×100=17.04%となりました。


土地の地価公示では平均して坪80万円です。

今回の土地は60.83㎡なので18.4坪になります。

18.4坪×80万円=1,472万円です。


地価からみると半値ですね。

建物の解体費を入れると200万見たとしても900万弱。基準価格で購入できるならかなりお買い得な物件です。


 

では、入札金額はどうするのか?

 

恐らく場所も駅近であるのと間口も6.2mあることから、退去されても売却しやすい物件のため、入札額が非常に読みにくいです。


なぜなら、


最先の賃借権がついている物件は転売専門の不動産会社は好んで入札をしません。

しかし、退去した後に見込める転売益を考えると賃借人がいてる間は所有して、そのあとに転売すればよいと考える不動産会社もいてます。


ここが非常に読みにくいです。


なので、今回は2パターンで入札金額を考えてみます。

①不動産投資目線での入札金額

②転売することを前提とした入札金額


 

不動産投資目線での入札金額

利回りは多ければ多いほど良いですが、今回は家賃が10万円とれているので欲張らずに考えていきます。


■表面利回り15%で想定した入札金額

120万円÷15%=800万円となりました。


先程のリスク分として100万円を含めると13.3%程度となります。


転売することを前提とした入札金額

転売益を狙っているため、そもそも金額の見方がかわります。


路線価で見ると1坪あたり約68万円です。


68万円×18.4坪=1251万円です。


先程のリスク分100万と将来の建て壊し費用200万円の合計300万円を差し引くと


1251万円ー300万円=951万円となります。


単純な計算ですが、951万円であれば収益性が見込める入札金額となりました。


 

まとめ

 

①不動産投資向けであれば

800万円


②転売目的であれば

1100万円


この辺りが今回の目安ではないかと考えます。


ちなみに転売目線の1100万円で落札すると表面利回りは10.9%です。


 

開札結果の動画はこちらから




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