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  • 執筆者の写真takayuki

不動産投資物件として競売物件の過去を振り返る5




下記の内容で入札シミュレーションをしていました。


 

サンプルは

大阪地裁本庁管轄 令和2年4月6日開札分から見てみます。

では、競売情報で開示されてい内容から見ていきましょう。

物件番号 令和1年(ケ)第722号

売却基準価額187万円

買受申し出保証額38万円

買受可能価額149.6万円

最寄駅

阪急宝塚線 三国駅より南方へ道路距離900m

徒歩約12分くらいです。

阪急神戸線の神崎川、十三までも徒歩15分程度の立地です。


 

■物件所在

 大阪市淀川区野中北一丁目13番地9

■物件種別

 区分所有建物

■種類

 居宅

■構造

 鉄筋コンクリート造

■階数

 4階(角住居)

■専有面積

 14.75㎡(公簿)

■間取り

 1K

■管理費等

 10,660円

■占有者

 あり。賃借人

■築年数

 昭和62年9月

■土地

 所有権

■買受人が負担することとなる他人の権利

 賃借権

 期限:定め無し

 賃料:3万円

 賃料前払い:無し

 敷金:無し

 保証金:無し

 特約:無し

★最先の賃借権である。

→最先の賃借権とは、抵当権等の担保権よりも先に賃貸借を締結されている場合に使用されます。よって、この度の競売により所有権が買主に移っても退去してもらうことはできません。収益で考えるならば逆に住んでいただけているほうがよいので、この部分は特に現時点では気にしなくても良さそうです。

■管理費等の滞納

 あり

■滞納額

 平成30年9月~令和元年9月まで

 133,920円

■管理会社

 あり

■最初の契約等

 平成28年1月29日契約締結日

 平成28年2月25日~平成30年2月24日まで 2年間 法定更新

■賃料の支払時期等

 毎月27日限り 翌月分支払い

■その他費用

 共益費月額6,000円

 水道代月額2,100円

 ※占有者からの徴収金

■注意事項として

 契約書が存在しない。

 占有者の入居時期は、前々所有者のときと思われる。

■その他滞納

 平成30年9月~令和元年9月まで水道代滞納有。毎月2500円。

 令和元年9月までの滞納が31,614円

■占有者のコメント

 ①自身で使用している

 ②平成28年2月下旬に入居

 ③賃料は自動引き落とし

 ④平成30年6月頃の地震で床と天井に水漏れがあり修理済み。

■管理組合

 あり。組合法人です。

■修繕積立金

 約2500万円(令和元年10月末現在)

■検査済み証

 あり

■改修計画

 無し

■エレベーター

 無し

●物件の間取りなど

 電気温水器(オール電化)

 3点ユニット(風呂・洗面・トイレ一体型)

 ミニキッチン

 洋室1部屋

 クローゼット

 室内の状況は男性単身が住んでいるような家財道具が見受けられます。


 

上記が競売資料に記載ある内容をピックアップしました。

内容を見るだけでは特に落札した後に大きなトラブルなどにあることは少なそうな案件です。男性単身でお部屋の様子を見ても特に荒れているわけでもなく、生活感が感じられます。この点だけで見ると、実際に所有者が住まわれている場合と賃借人が住まわれている場合ではお部屋の様子が違いますね。

見てはいけないものを見ているような気もしますし、他人の生活を垣間見れる機会かもしれません。ただし、個人情報や著作権の問題でネットから見れる情報には制限がかかっています。昔はそんなに厳しくなかったのに、ここ数年は厳しくなっているようですね。

なので、実際の内容を見るために管轄の裁判所へ出向いて簿冊を開くと見ることができます。

家賃も自動引き落としになっているので恐らく保証会社を利用されていて、オーナーが変わるたびに引継ぎされているかも知れません。

契約書が存在しないとのコメントがありましたので、落札ができたらしっかりと契約書を組むことを忘れずに行うことも大切です。

 

収益性の観点からみると

家賃3万×12ヶ月=36万円

水道代2100円×12ヶ月=25,200円

共益費6000円×12ヶ月=72,000円

合計457,200円が年間収入

支出は

管理費等13,160円×12ヶ月=157,920円

公租公課23,000円

合計180,920円

457,200円-180,920円=276,280円が年間の収入


 

最低基準で購入した場合利回りはどうか?

①表面利回り

457,200円÷1,870,000円×100=24.44%

②実質に近い利回り

276,280円÷1,870,000円×100=14.77%

※取得税・免許税を含んでいないためまだ利回りは減少します。

単純に計算した場合での算出です。

こちらに滞納額(凡そで27万円)をプラスすると

187万円+27万円=214万円(不動産取得税・免許税除く)

表面利回り

457,200円÷214万円×100=21.36%

滞納をプラスしても表面利回りでは20%を超えています。


 

オーナーが代わっても継続して利用されているのですぐに退去される心配は少なさそうです。

管理会社も入り、修繕積立金も2500万円弱貯まっているので建物の状況も心配事は少なさそうです。

小振りのタイプなので入札本数は多くないかもしれませんが、安心して入札できる物件のため競合はしそうです。

表面利回り15%あたりで検討できるなら入札額は280万円までといったところでしょうか。

300万前後が目安かもしれません。

出典元は私の別のブログからです。

>>https://www.fujimoto-home.com/post/不動産投資物件-競売物件


 

そして、その後の開札結果がこちらです。

↓↓↓↓↓

 

最先の賃借権が付いた事例でしたので、落札しても賃借人はそのまま住み続けられる権利でした。

では、開札結果はいかに・・・BITの落札結果から見てみます。

■開札結果:売却

※売却とは、競売が成立したことを示しています。入札が入らなければ「不売」と表示されます。

■入札者数:5

※数字のままで、その数が入札に参加されたこととなります。

ちなみに入札書に同封する添付書類が不足していた。

様式に記載する事項に誤りがあった。

このような場合は入札を行っても要件不足で入札参加にはなりません。競売の落札会場で読み上げがされるのでそちらに参加されると執行官が読み上げ時に、たまに言ってます。

■落札者資格:法人

※会社組織で入札をされた場合は「法人」、個人や個人事業主の入札は「個人」と表示されます。

■売却価額:2,512,345円


 

ということで、280万円で予測を立ててましたので


落札です。


しかし実際には入札していないので落札はできません。

当時の記事もこちらからご覧いただけます。


↓↓↓↓↓

競売結果


ご覧の通り、300万円以下での入札のため現金で入札をしたと仮定します。


簡単に10年、20年、30年の利回りを計算しておきます。


1.10年目では

29.9万円×10年=299万円


2.20年目では

598万円


3.30年目では

897万円


このような計算となります。


30年でおよそ3倍の資産形成という結果となりました。


金額自体は1000万円以下なので魅力を感じないかもしれませんが、手堅い持っておいてよい物件だと思います。


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