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不動産投資として競売物件の過去を振り返る4
今回サンプルで抽出するのは、平成28年度の事例です。
今から4年前の競売事例です。
平成28年2月23日の開札事例。
まずは当時の入札物件の数は?
63件でした。
当時は不動産の価格も都心部を中心に上昇し始めていた頃です。
そして、住宅ローン借り入れの金利も下がり不動産の動きが良かったです。
■物件情報
・大阪市西淀川区千船
・売却基準価額:4,160,000円
・タイプ:1R
・専有面積:20.70㎡
・最寄駅より徒歩:3分ほど
・平成11年の建物
・管理会社有
※売却基準価額とは?
競売で入札するための基準価格です。
それ以上の金額でないと入札ができないと思って頂ければ大丈夫です。
では、情報を見ていきます。
簡単に大切な情報をピックアップします。
1.6か月猶予付きの物件。
2.管理費5,740円
3.修繕積立金2,750円
4.賃料53,000円
5.共益費8,000円
6.所有者からの賃借権
7.居宅として利用。
8.室内の設備など
①ミニキッチン
②収納クローゼットあり
③浴室、トイレは別々(セパレートタイプ)
④バルコニーあり(南西向き)
単身者向けの1Rです。
■開札記録
・入札者数:3件
・落札者資格:法人
・落札額:6,810,002円
上記となりました。
築浅で入札者はたったの3件です。
★購入価格(落札価格)
681万円
★毎月の家賃収入
①家賃53,000円/月(以下、5.3万)
②共益費8,000円/月
合計:61,000円(A)
★毎月の管理費等の支払
8,490円/月(以下、8千円)(B)
★固定資産税等の支払
・固定資産税:34,905円
・都市計画税:8,026円
合計:42,931円(年間)÷12ヵ月=3,577円/月額
3千円/月(C)
支払合計(B)+(C)=1.1万円(D)
収入(A)-支払(D)=5万円(これが毎月のおおよその手取り収入)
表面利回りを計算します。
5万円×12ヵ月=60万円(年間)
60万円÷681万円×100=8.8%
表面利回りは8.8%となりました。
681万円の投資資金を回収するためには約11年の月日で回収できることがわかります。
今回は売却基準価額を見れば500万円以下のルールでは落札できないだろうと思いましたが、そのような物件ではいかほどで落札されているのか?それを見るためにピックアップしました。
いつもの通り現金300万円を用意し、不足分を借入とする場合で今回も見ていきます。
まず、借り入れ条件としていつものように利息5%、借入期間7年で試算します。
不足額が381万円なので
毎月の返済額53,850円となります。
この数字を見てすぐにお分かりいただけるかと思いますが、毎月3,850円が赤字です。
年間で見ると46,200円。借入期間7年とした場合であれば、323,400円が毎月の家賃で足りない不足分を追い金していく金額となります。
ではさらに、10年後、20年後、30年度を見ていきます。
10年後で、▲120万円
まだ投資資金を回収できません。8年目から全額の60万円が年間入るとして3年分。180万円の収入として計算しています。
20年後で、480万円
30年後で、1080万円
上記のように資産を形成することができます。
30年後には1000万円以上の資産を形成する点ではボーダーラインですが、不動産投資物件として、私がお勧めする物件には残念ながら届きませんでした。
私のルールは
①500万円以下の不動産投資物件
②購入価格100万円に対して賃料は1万円以上
残念ながら①②ともにクリアならずなので見送りにする物件です。
競売入札することの最大のメリットを活かした購入方法。
これを守らずルールを崩すと足元をすくわれてしまいます。
まずは月収20万円まで到達するまでは見送りに徹しましょう。
今回の物件は過去に取り上げてきた不動産投資物件と違い築年数が比較的新しい物件でした。
そのために入札額は高くなったように感じます。
しかし、冒頭でも書いていますが、入札者数は3件しか入っていません。
このギャップが凄いです。
同じような物件を市場で購入すると現在であればいくらで取引されているのか?
もちろん家賃収入に応じての取引価格となるのでどの価格が正しいとは一律には言えませんが、参考に見てみましょう。
今現在販売されている物件(令和2年5月13日現在)
3階のお部屋が売りに出ています。
家賃と共益費込みで64,190円。
販売価格は1100万円です。
表面利回りで計算すると
64,190円×12ヵ月=770,280円
770,280円÷1100万円×100=7%
上記となりました。
時代が違うため正しい比較は難しいですが、単純に数字のみで比較すると、驚きの数字がでてますね。
不動産投資物件として、
■競売で購入した場合:681万円。年間収入は73.2万円(本来の表面計算方法を採用)
表面利回りは10.7%
■市場で購入した場合:1100万円。年間収入は77万円
表面利回りは7%
この比較を見て頂くだけでも競売での不動産投資の魅力が伝わると思います。
市場の約6割程度購入できています。
しかし!
今回の不動産投資物件としての入札はルールに収まっていないのでNGです。
次回は今年のコロナウイルスの影響が起こる前にデータをとっていた物件のご紹介をさせて頂きます。
こちらは入札前に私自身が入札のシミュレーションで計算しています。
なので、入札をした価格と落札された価格を見比べてみていきたいと思います。