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  • 執筆者の写真takayuki

不動産投資として競売物件の過去を振り返る

更新日:2020年5月13日


現在、コロナウイルスの影響により裁判所が運営する「BIT」では、新規の閲覧ができなくなっているので、私が競売に従事していたころの情報を振り返ってみたいと思います。 今回サンプルで抽出するのは、平成22年度の事例です。 今から10年前の競売事例です。 平成22年5月18日の開札事例。 まずは当時の入札物件の数は?


83件でした。


 

■物件情報 ・大阪市北区同心二丁目 ・売却基準価額:3,020,000円 ・タイプ:1K ・専有面積:16㎡ ・最寄駅より徒歩8分程度 ・平成11年の建物 ・管理会社有

※売却基準価額とは? 競売で入札するための基準価格です。 それ以上の金額でないと入札ができないと思って頂ければ大丈夫です。

 

では、情報を見ていきます。 簡単に大切な情報をピックアップします。

1.6か月猶予付きの物件。 2.管理費7,100円 3.修繕積立金1,420円 4.賃料3万円 5.転貸借での入居者 6.債務者、賃借人の関係性が不透明 7.室内の設備など ①浴室、トイレは別々(セパレート) ②室内洗濯機置き場あり ③ミニキッチンあり ④バルコニーあり ⑤下駄箱あり ⑥クローゼットあり

初心者向きの競売物件ではありません。

 

■開札記録 ・入札者数:5件 ・落札者資格:法人 ・落札額:5,438,617円

上記となっています。 では、この結果から投資物件として購入するとどうなるのかをシミュレーションしていきます。 計算をわかりやすくするため、細かな端数は切り捨てで計算してます。

 

★購入価格 540万円 ★毎月の家賃収入 3万円/月(A) ★毎月の管理費等の支払 8千円/月(B) ★固定資産税等の支払 ・固定資産税:31,416円 ・都市計画税:7,494円 合計:38,910円(年間)÷12ヵ月=3242.5円/月割 3千円/月(C) 支払合計(B)+(C)=1.1万円(D) 収入(A)-支払(D)=1.9万円 表面利回りの計算をします。 1.9万円×12ヵ月=22.8万円(年間) 22.8万円÷540万円×100=4.2% 表面利回りは4.2%となりました。 540万円の投資資金を回収するためには約23年の月日が必要となります。 これは、入札してはいけない物件です。

【入札してはいけない理由は?】

毎月入ってくる収入の額が少ない。 全額を現金で購入した場合、毎月1.9万円の収入を得ることができますが、借り入れをしてる場合。 240万円を借り入れた場合(期間7年、利息5%で試算) 毎月の返済額が33,921円の返済となります。 収入が1.9万円なので、約1.4万円が毎月足りずに現金から持ち出しとなります。 これでは中長期保有するとしても30年経っても収益性を生み出せません。 では、いくらであれば購入してよいのか? 私が入札する額を査定するならば152万円です。表面利回りが15%での計算です。 しかし、これは過去の入札事例のため現在の競売市場とは違っています。 ここで皆さんに知っておいていただきたいのは、「当時の相場」です。 今回ピックアップした物件だけでは当時の相場を知ることができませんので、もう少し物件を拾い出して皆さんに見て頂きたいと思います。 そのあとに現在の競売市場との比較をすることでなぜ私が競売物件の入札で投資物件を購入しようと考えているのかがわかって頂けると思います。 すべてにおいて共通するのが、何と比較するか?だと私は考えています。 利回りで比較するのか? 物件のエリアで比較するのか? 建物の築年数で比較するのか? などなど 色々と比較することができるのがこの競売市場です。 これは一般の方であろうとプロの投資家、不動産会社が共通して得る事の情報です。 しかし比較する作業はとても労力と時間が必要です。 個人でこの作業を行うのは正直厳しいでしょう。 実際私が業務にあたっていた時は、この過去の事例との比較、現在の物件市場、将来の不安要素、期待要素などを点数化して物件のランク付けをしていました。 例えば、A・B・Cとランク付けした場合 Aランクが上位、Cランクは下位とすると、 Aランクであれば他と比較して優位性を持っているので少々高い金額で入札をしたり、Cランクであれば収益性がずば抜けていればやってみる。もしくは入札は行わず、机上のシミュレーションを行い入札の動向を見てみる。 このような方法があります。 競売は一番高い金額を入れた人が落札できる簡単な仕組みです。 しかし、高すぎる入札は収益性を悪化させるだけです。 入札額の設定は非常に頭を悩ませてきました。 個人投資家の入札額を考え、同業他社の入札額を考え、自分が納得できるデータを基に金額を確定します。 これもデータの蓄積と経験から算出するところもあります。 このような中から入札するにふさわしい物件を私が選定をして皆様へご提案をさせて頂きます。

何度も言いますが、500万円までの不動産投資物件です。

現在は過去の振り返りとなるため、落札額ではなく入札する基準価額が500万円以下の競売物件にて選んでおりますのでご了承ください。

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